📚 フィンランド文学の古典12冊
来年2017年は、フィンランドの独立100周年の年です。それにともない、あちこちで、いろいろな企画が計画されているようです。
フィンランドのWSOYという出版社は、そこで出版したフィンランド文学の中から、古典12冊を新たな装丁で特別出版するのだとか。
どれらの本がフィンランド人にとっての古典となり得るのか、それを決めたのは一般の人たち。インターネット上で投票してもらったそうです。
先日、その投票の結果をもとに出版される12冊の本のリストが公表されました。
フィンランドのWSOYという出版社は、そこで出版したフィンランド文学の中から、古典12冊を新たな装丁で特別出版するのだとか。
どれらの本がフィンランド人にとっての古典となり得るのか、それを決めたのは一般の人たち。インターネット上で投票してもらったそうです。
先日、その投票の結果をもとに出版される12冊の本のリストが公表されました。
WSOY出版のフィンランド文学古典12冊
リストと、それぞれの本についてのごくごく簡単な説明です。
1 Mika Waltari: Sinuhe egyptiläinen (1945)
ミカ・ワルタリ『エジプト人』。この作品は、映画化もされています。
Wikipedia に、作者についても(ミカ・ワルタリ - Wikipedia)作品についても(エジプト人 (小説) - Wikipedia)解説があります。
ちょっと古いようだけど、日本語版もあります。3巻に分けて出版されているんですね。フィンランドでは1冊にまとまってるけど、それって確かにかなり分厚い…
ちょっと古いようだけど、日本語版もあります。3巻に分けて出版されているんですね。フィンランドでは1冊にまとまってるけど、それって確かにかなり分厚い…
追記:2024年に新たな翻訳本が出版されることに気づきました。今回は3巻ではなく上下2巻のようですね。
ちなみにこの作者は男性ですよ。「ミカ」はフィンランドでは男性の名前なのです。
2 Tove Jansson: Muumipappa ja meri (1965)
トーベ・ヤンソン『ムーミンパパ海へいく』
トーベヤンソンさん(トーベ・ヤンソン - Wikipedia)もムーミンも、日本人の間でも有名ですね。
3 Väinö Linna: Täällä Pohjantähden alla 1–3 (1959–62)
ヴァイノ・リンナ『ここ北極星の下で』
作者についてはこちらをどうぞ→ヴァイノ・リンナ - Wikipedia
1880年代から1950年代までのフィンランドの社会の変化を、庶民の視点から描いた3部作です。確か映画にもなっていたはず。
4 Väinö Linna: Tuntematon sotilas (1954)
ヴァイノ・リンナ『無名戦士』
作者は前項と同じです。フィンランドの継続戦争を描いています。
フィンランド人たちに愛されている作品。映画もいくつか作られています。その中でも一番古い、1955年の映画は、毎年独立記念日にテレビで放映されています。
日本語版はないようですが、英訳はされています。
日本語版はないようですが、英訳はされています。
5 Sofi Oksanen: Puhdistus (2008)
ソフィ・オクサネン『粛清』
6 Veikko Huovinen: Havukka-ahon ajattelija (1952)
日本語の書名もカナ書きの著者の名前も見つけられませんでした。日本では全く知られていないということでしょうか。
カイヌーの森を舞台とした、ユーモアのある作品らしいです。映画化・ドラマ化もされています。
7 Tuomas Kyrö: Mielensäpahoittaja (2010)
この著者も本も、日本ではまだあまり知られていない?
フィンランドで生活しているくせに、私は全然知りませんでした。実は、本にも世の中にもすごくうとい私なのです。
8 Edith Södergran: Runoja (1916)
エディス・セーデルグラン『詩』
詩人です。フィンランドの詩人の中でも、世界的に知られた詩人のひとりということです。
日本では『どこにもない国 フィンランドの詩人 エディス・セーデルグラン(1892-1923) (評伝・越境する魂)』(三瓶 恵子著)という本が出版されていますね。
そうそう、トーベ・ヤンソンさんと同じように、この詩人もスウェーデン系フィンランド人です。
そうそう、トーベ・ヤンソンさんと同じように、この詩人もスウェーデン系フィンランド人です。
9 Minna Canth: Työmiehen vaimo (1885)
ミンナ・カント『労働者の妻』
劇作家です。彼女については、こちら→フィンランド文学情報サイト / KIRJOJEN PUUTARHAのページが参考になります。
10 Arto Paasilinna: Jäniksen vuosi (1975)
アルト・パーシリンナ『行こう!野ウサギ』
主人公が野ウサギをつれて旅をするという話らしい。これを原作にした、同名の映画もあります。
11 Juhani Aho: Rautatie (1884)
ユハニ・アホ『駅』
著者は、フィンランド語で作品を書いた作家の中ではフィンランド最初のプロ作家(←執筆業だけで生計を立てたという意味かと)とされています。
作家については、Wikipediaに日本語のページがありました。→ユハニ・アホ - Wikipedia
田舎の夫婦が機関車に乗ってみたっていう話らしい。
12 Tove Jansson: Kesäkirja (1972)
トーベ・ヤンソン『少女ソフィアの夏』
再びトーベ・ヤンソンさんです。フィンランドの多島海にある小さな島での、夏の生活を描いた作品のようです。
おわりに
日本でも「おすすめ本100選」とか「心に残る本ランキング」とか、いろんなリストがありますよね。
私は、文学少女ではありませんでした。そのまま成長した者が、文学おばさん?!になるはずもなく……
そんな私ですから、日本のにしてもフィンランドのにしても、本のリストになんて全然興味がなかったのですよ。
でも、こうして改めて見てみると、おもしろいです。
他のリストもチェックしてみようかな。
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