ビル・ワターソンの『カルビンとホッブス』をご存知ですか?

アメリカの漫画ですが、フィンランドの新聞・雑誌でも『Lassi ja Leevi』、あるいは『Paavo ja Ilves』という名で連載されていました。

私が好きな漫画の一つです。もうとっくに連載は終わってますけれど。

先日、図書館から借りてきた本です。

LASSI JA LEEVI
SUNNUNTAISIVUT
1985-1995

著者: Bill Watterson
訳:Juhani Valli
出版:Egmont kustannus 2002年

LASSI JA LEEVI  SUNNUNTAISIVUT  1985-1995

2001年にアメリカで出版された『CALVIN AND HOBBES SUNDAY PAGES 1985-1995』のフィンランド語版です。

もともとは、オハイオ大学漫画研究図書館で『カルビンとホッブス』の展覧会をするのに伴って出版されたとのこと。

本には、新聞の日曜版に掲載されたものの中から、漫画家自身によってピックアップされた作品が年代順に並んでいます。そして、とことどころに彼の言葉もそえられていて、それがまた興味深い。作者が、10年間の連載でいろんな試みをしてきたのだというのが、よくわかります。

本では、見開き1ページで日曜版一回分の漫画が紹介されています。左側のページには原画、そして右側には色つきで印刷されたもの。比較できるのが面白い。色がどんな効果を与えるかというのがよく分かります。



さらに、このフィンランド語版ででは、英語とそのフィンランド語訳の両方で漫画を読むことができるんですよ。左のページは原作のまま英語、右のページはフィンランド語訳になっているので。英語とフィンランド語を比べながら読むのもなかなか楽しい。

この本は、他の『カルビンとホッブス』とは違うタイプの本。10年間の変遷を垣間見ることができて面白かったですよ。

著者について

Bill Watterson(1958年~)はアメリカの漫画家です。とはいっても、この『カルビンとホッブス』のあとは、漫画は描かれていないようですが。

もともとは風刺画家として就職し、その傍ら漫画を描き続けていたのだそう。そして、新聞に掲載されるようになった漫画が、この『カルビンとホッブス』。1985年のことでした。

『カルビンとホッブス』とその著者については、日本語版のWikipedia( カルビンとホッブス - Wikipedia)にも解説がありますよ。

書名 "LASSI JA LEEVI  SUNNUNTAISIVUT  1985-1995" の意味

最後に、書名の意味です。

Lassi, Leevi

どちらも、フィンランドの男性の名前。

原書の Calvin がフィンランド語訳では LassiHobbes Leevi となっています。なぜそうされたのかは謎。響きがいいからでしょうかねえ?

そもそも、国外の漫画などをフィンランド語に訳すとき、名前もフィンランド人化しちゃうというのは、めずらしいことではないみたい。ポパイは Kalle という名になってるし、ドナルド・ダックは Aku Ankka なんですよ。

ja

「ジャ」と読みたくなりそうですけど「ヤ」と読みます。

日本語の接続助詞と同じような意味合いです。

sunnuntaisivut

sunnuntaisivu の複数主格。2つの単語でできた複合語です。

sunnuntai 日曜日のこと、sivu ページのことなので sunnuntaisivu 日曜ページ。ここでは、新聞の日曜版のページ用『カルビンとホッブス』のことでしょうね。

LASSI JA LEEVI  SUNNUNTAISIVUT  1985-1995

特に日本語に訳す必要もないでしょう。登場人物の名前がフィンランド人化しているだけで、英語の原題『CALVIN AND HOBBES SUNDAY PAGES 1985-1995』がそのままフィンランド語に翻訳されているのだというのが分かると思います。