Myrskyluoto シリーズ4作目です。

Meren voimia vastaanMyrskyluoto より)
著者:Anni Blomqvist
訳:Björn-Christer Lindgren & Liisa Ryömä
出版:Gummerus  2010年

全5作が1冊にまとめられているので、手にしているのは相変わらずこの本。

Myrskyluoto
著者:Anni Blomqvist
訳者:Björn-Christer Lindgren & Liisa Ryömä
出版:Gummerus  2010年
(参考: Myrskyluoto | Gummerus Kustannus 

原題は『I kamp med havet』。1971年に出版されました。そのフィンランド語訳『Meren voimia vastaan』が最初に出版されたのは 1976年です。


火事の後、冬の寒さから逃れるために、Maija の家族は彼女の実家に身を寄せます。

実家の家族や地域の人々に助けられて冬を越した Maija の家族ですが、Maija たちにとっての「家」はあくまで Myrskyluoto。暖かくなり島に戻れる時期になると、すぐ、家族みんなで島にもどります。そして、再び Myrskyluoto での生活が始まります。


フィンランドの公共放送Yleで放映された Myrskyluodon Maija (関連記事  音楽とテレビドラマとその原作)のストーリーは、小説とほぼ同じように展開していきます。

追記:テレビドラマ視聴可に

1976年にテレビドラマ化(全6話)されたMyrskyluoto シリーズを、フィンランド公共放送Yleがオンデマンドのサイトで現在公開してくれています。国外視聴可能です。

この第4作目に該当するのは、ドラマの4話途中から~6話の途中まで。




海と死

Myrskyluoto シリーズの1作目からずっと感じているのは、死は身近なものなんだということ。

主人公 Maija は、「死」や「死人」というものを、少女時代からとても恐れていました。でも、そんな Maija も、人生の中で何度となく死と向かい合うことになります。

19世紀を語ろうとすれば、「死」というものを身近に描きざるを得ないのかもしれません。海に囲まれた環境です。海に命を奪われた人々も多かったのでしょう。

もしかすると、夫と息子を海で亡くした著者が、小説の中に「死」を取り上げることで、自分の心を整理したかったのかも。

"Meren voimia vastaan" の意味

書名の意味を見ていきましょう。

"Meren"

を意味する単語 meri の単数属格。meren で 海のという意味になります。

"voimia"

を意味する単語 voima の複数分格です。分格なのは、後置詞 vastaan が分格形の単語を前にとるためです。

"vastaan"

後置詞です。向かってあるいは対してという意味です。

"Meren voimia vastaan"

直訳すると、海の力に向かってでしょうか。ちょっと意訳して、海に立ち向かう、あるいは海との戦いっていってもいいかな。原題が『I kamp med havet』ですし。

最終作へ

4作目は、火事のとき以上に重く幕を閉じ、最終作へと続きます。