グーグル先生に「牛」をフィンランド語に翻訳してもらうと「lehmä」。
…ん?ほんと?

Se Valamon lehmä
(そのヴァラモの雌牛)
撮影:K. Kivi  1942年
画像元:Se Valamon lehmä. | Sotamuseo | Finna.fi
ライセンス: CC BY 4.0

ということで、「牛」がフィンランド語で何とよばれるのか、改めて調べてみました。

NAUTA

日本語の「」の意味と一番マッチするのは nauta だと思うんですよね。
nauta は「牛」という種を表しているので、雌だろうが雄だろうが仔牛だろうが成牛だろうが、nauta と言えば間違いがないはず。

とはいうものの、nauta って言葉、lehmä よりも耳にすることが少ない気はします。思いつくのは 牛肉 naudanliha(nauta の属格 + liha 肉)ぐらい。

LEHMÄ

グーグル先生による「牛」のフィンランド語訳。確かにこの言葉は、「牛」を表す言葉の中で、一番よく耳にするかも。

例えば、放牧されている牛を見たら、「あ、"lehmä" がいる」とはいうけれど「あ、"nauta" がいるとはあまり言わない。(一部日本語訳しております^^)

でも本来 lehmä は、メスの成牛のことです。雄牛は lehmä じゃないですっ(きっぱり!!)

それでも、lehmä という言葉が使われることが多いのは、それだけ雌牛が身近だったの言うことなのかもしれません。フィンランドでも昔は、多くの家で乳牛を飼っていたようですし。

SONNI

sonni 雄の成牛。一般には去勢されていない雄牛を指すらしい。

HÄRKÄ

härkä 雄の成牛。こちらは一般に、去勢された雄牛を指すようです。

星座(牡牛座)や十二支の丑は、フィンランド語ではこの härkä。どうして sonni じゃないんでしょうねえ。その昔、農作業などに使われていたのは去勢された牛? その名残?

そういえば、牛と闘牛士が戦うあの闘牛(競技)のことは、härkätaistelu(härkä + taistelu 戦い)。闘牛の牛さんたちは去勢されていないそうなんだけど。去勢されていなくても、härkä という言葉を使うこともあるということなんですね。

VASIKKA

仔牛は雄でも雌でも vasikka。雄・雌を区別する場合には、sonnivasikka雄の仔牛)・lehmävasikka雌の仔牛)というらしい。

MULLI / MULLIKKA

mulli または mullikka は、若い雄牛のこと。

HIEHO

hieho は、若い雌牛のこと。まだ仔牛を生んでいない雌牛です。

ENSIKKO

ensikko 初産の牛。当然雌牛ですね。
ただし、この言葉は他の動物の場合でも使うらしい。

MAHO

maho は、妊娠しない雌牛のこと。種がつかない牛ということなんでしょうね。
これも、牛以外でも使うようです。

*****

年齢・性別によってこれだけ名称がかわるというのは、それだけ牛が生活に密着していたということなのでしょう。

近年はもう、地域によっては牛を目にすることさえもまれ。ちょっとさびしい…。

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