今回も、図書館の電子ブックを借りました。人気のある本なのでしょう。さっき地域の図書館のページを見てみたら、この本を予約している人は現時点でなんと 311人!!

そんな本なのに電子ブックでは予約せずに借りることができたのです。まだ、電子ブックはそれほど浸透していないということかな。

Valomerkki

Valomerkki
著者:Anna-Leena Härkönen
出版:Otava, 2017年
表紙:Kirsti Maula

Anita の職業は作家。年齢は50歳。

死ぬことよりも人生を続けることのほうが怖い。友人たちに、自殺を看取ってくれないかと、お願いするありさま。

仕事はなかなか進まない。そして欝な毎日が続く…

*****

50歳になった Anita の日常を綴っています。「中年の危機」とか「創作の苦悩」なんていうのがテーマなのかなあ。…私にはいまいちつかめなかったのですが。

翻訳本ではなく最初からフィンランド語で書かれている本は読みにくいことがある、と以前書きましたが( 【本(小説)】Toiset kasvot:ゴットランド島を舞台にした推理小説 )、この本はそんなことはありませんでした。むしろ、フィンランド語で書かれた小説だからこそあり得るであろう言い回しなどを楽しむことができました。

"Valomerkki"の意味

valomerkki 光による合図valo  + merkki 合図・マーク)のこと。パブやレストラン等でのラストオーダーを表すこともあります。店内を一瞬暗くすることで、ラストオーダーの時間だよってことを客たちに知らせるので。

転じて、事の終わりを表すこともあるのでしょう。本の中では "valomerkki" という言葉が次のように使われていますから。
Tajuaksää ollenkaan, miten vähän mulla ehkä on aikaa olla täällä? Ja sinä teet lähtöä ennen valomerkkiä vapaaehtoisesti.
(意訳ですが…) おまえ分かってる?俺の人生はもう多分少ししか残ってないってこと。で、おまえは寿命の前に自らこの世から去ろうとしているんだぞ。

著者について

著者 Anna-Leena Härkönen(1965年~)は、フィンランドの作家であり役者であり脚本家。処女作は『Häräntappoase』(1984年)。なんと、高校2年生の時に書かれた作品だそうですよ。

《参考ページ》
Anna-Leena Härkönen – Wikipedia (ウィキペディア"Anna-Leena Härkönen")
Valomerkki | Otava (出版社による本の紹介ページ)
Anna-Leena Härkönen | Otava (出版社による本の紹介ページ)

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