今回読んだ本も図書館の電子ブック。「今一番借りられている」順で上位にあったものです。

でも最近、そうやって本を並べると、上位に来る本のほとんどが借り出し中。また、本によって変動も激しい。そもそも「今一番借りられている」がどういう基準で割り出されているかよく分からないんですけどね。少なくとも、借りられた回数ではない、というのは明らかなのですが。

いずれにしてもこの本、さっき確かめてみたら、「今一番借りられている」順で60番目になっていました。

それでも、その図書館のフィンランド語の電子ブックは全部で2000部以上あるみたいなので、60番目といえばかなり上位かな?

Tksi täydellinen päivä

Yksi täydellinen päivä
著者:Jennifer Niven
翻訳:Leena Ojalatva
表紙:Mari Villanen
出版:Karisto  2017年
『All the Bright Places 』という本のフィンランド語版です。でも、書名も直訳ではないし、表紙も原作とはだいぶ違うようです。こういうのって、お国柄もでるのかな?

内容


17歳の Finch は変わり者。一方で Violet は、活発な女の子でした。姉を交通事故でなくすまでは。

この2人が、ある日高校の時計塔で出会います。偶然の出会いではありますが、考えていたことはどちらも同じ。「もしここから飛び降りたら…」

その後 Finch は、閉じこもりがちになっていた Violet を徐々に元気づけていきます。そして、Violet も Finch に惹かれていく…

とはいっても、純愛小説ではなくて、かなり重いテーマ…メンタルヘルス、そして自殺…を取り扱った小説です。

読後感

読後感を一言でいえば「切ない」。

Finch があまりにも創造的で、あまりにも繊細で、あまりにも賢いのです。

おそらく父親からの遺伝で双極性障害があり、本人もそれは分かっている。ただ、「変わり者」と言われることは平気な彼も「精神障害者」というレッテルを貼られたくはない。だから、スクールカウンセラーにも必要以上のことは言いません。

さらに離婚した両親は、Finch の支えにはならない。父親は新しい家族を持ち、母親は自分のことで精いっぱい。

Finch も自分のことで精いっぱいのはずなのですが、大切に思う人に対して、すごくやさしいのですよ。でも、自分は誰からも助けを求めない…

こういう子が実際にいるのだとしたら、ほんとうに切ないです。

"Yksi täydellinen päivä"の意味

それぞれの単語の意味です。
  • yksi
  • täydellinen完璧な
  • päivä
つまり『完璧な一日』。
原作は『All the Bright Places』なので、直訳ではないですね。

地元の図書館に、他の言語に訳された本もありましたので、興味本位で書名の意味を調べてみました。といっても、スウェーデン語もエストニア語もロシア語も全然わからないので、翻訳はグーグル先生です。どれだけ正確なのかはわかりません。
  • スウェーデン語版:Som stjärnor i natten(夜の星のように)
  • エストニア語版:Elu helged paigad(人生の輝かしいスポット)
  • ロシア語:Ny ne vinovat(それは私のせいではない)
こうしてみると、まさにいろいろ。
ちなみに、表紙のほうもみんな違います。フィンランド語版の表紙は、一番抽象的で一番地味かもしれない…

著者について

著者の Jennifer Niven(1968年~)は、アメリカの作家です。これまでに9つの作品を出版しているのだとか。

この本は、彼女にとっては最初の、ヤングアダルトを対象とした小説です。映画化もされるそうです。

《参考ページ》
出版社による本の紹介ページ ⇒ Karisto - Kirjat
出版社による著者の紹介ページ ⇒ Karisto - Kirjailijat
著者のホームページ ⇒ Jennifer Niven

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